公務員の倍率 底入れ感 19年採用
2018/6/23に日本経済新聞電子版から、公務員の倍率についての記事が出ている。
2019年春卒業予定の大学生の就職活動で、地方公務員の人気低下に底入れ感が出ている。1都3県とその県庁所在市の7自治体のうち、埼玉県や神奈川県など4県市で採用試験の応募倍率が上昇した。大企業の本社が集まる東京都も微減にとどまった。「売り手市場」で学生の民間志向は依然強いが、自治体側も積極的なPR戦略で巻き返している。
埼玉県は大卒程度の事務職(上級・一般行政)の申し込み倍率が13.2倍で、前年度を1.3ポイント上回った。倍率が前年を上回るのは5年ぶり。採用予定数を前年度より1割近く絞り込んだが、申込者数は増加した。
県人事委員会の担当者は「公務員の仕事に目を向けてもらう取り組みの効果が出てきた」(任用審査課)と説明する。今年度の職員募集はパンフレットを一新し、川越の街並みや美しい風景など写真中心のレイアウトを採用。各ページのQRコードをスマートフォンで読み取ると、職員の仕事の情報が得られるようにした。「まずは『気になる』と思ってもらうことをねらった」(同課)
神奈川県の大卒事務職(1種行政)は前年度比で0.6ポイント上昇の14.5倍となり、6年ぶりに上昇に転じた。今年度は交流サイト(SNS)のフェイスブックを通じた情報発信を充実。入庁3年目から20年目まで幅広い年次の職員が登場し、業務内容などを説明したほか「近くの中華街で先輩とよくランチします」などのコメントも掲載し、「県庁ライフ」を想像しやすくした。
今年度からSNSを導入した千葉県も、採用に関するセミナーやイベントの開催情報などをツイッターで配信。公務員に関心のある学生に確実に情報が伝わるようにした。大卒事務職(上級試験・一般行政)の応募倍率は3年ぶりに上昇した。
東京都は事務職で採用数が最も多い「1類B・一般方式」(大卒程度)の応募倍率が11.4倍と、前年度に比べて0.2ポイント低下した。低下幅は17年度(0.8ポイント)に比べて縮まった。18年4月に入庁した職員の採用試験では、倍率が上がったのはさいたま市のみ。各自治体の採用予定数は年によって変動はあるものの、昨年度に比べれば「狭き門」になりそうだ。
ただ、各自治体は応募倍率の底入れ感を手放しで喜べない状況がある。例えば、さいたま市の場合、18年春の入庁予定で採用試験に最終合格した約200人のうち、実際に入庁したのは6割にとどまった。併願した他自治体や民間に流れる事例が多く、市の担当者は「やりがいや働きやすさを丁寧に説明し、学生に選ばれるような自治体になりたい」(任用調査課)と話している。
とある。
各自治体がこの先どのように公務員に触れてもらう方法を増やしていくのか気になるところである。
記事元:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3213758022062018L82000/